大体安定して量産できる様になったので備忘録として。
仕事として実験を重ねた結果の値です。
作業内容
・t8~t18のA5052アルミ板の切削・切り出し
・切削時間は1ワーク8~18時間程度
要求水準
・完全放置プレイ可能(外出したい・切り子の清掃等一切なし)
・日昼夜の連続稼働が可能
・絶対トラブらない事
・側面仕上げがある程度綺麗であること。
→上記の要因により甘めの切削条件です。
環境
・Kitmill RZ300
→100Wスピンドルオプション・主軸回転数17,000rpm
・Autodesk Fusion
・Let’s Note CF-B11 + Win10(CNC専用PCとして運用)
切削条件(ドライ)
エンドミル刃径 | 4mm | 2mm | 1mm |
切削ピッチ(XY方向) | 1.5~2mm | 0.75~1mm | 0.3mm |
切込ピッチ(Z方向)※ | 0.1mm | 0.05mm | 0.02mm |
切削送り速度(XY送り) | 400mm/min | 400mm/min | 300mm/min |
切込送り速度(Z送り) | 60mm/min | 60mm/min | 30mm/min |
1mmエンドミルの場合、主軸回転数17,000rpmでは足りない計算になる為に送りを遅くしてカバーしています。
切込ピッチ(Z方向)は欲張るとロクな事になりません。大人しく表程度にしておきましょう。
使用エンドミル
【2215 PPLS フラットエンドミル アルミ用 超硬刃 HRC45度 3枚刃 先端直径4mm 2本入】https://amzn.to/4cn7y8x
色々試しましたが何だかんだアルミ用の3枚刃一択です。
エンドミルは刃数が増えると剛性が増し、切削抵抗が増し、切り子の排出性が悪くなります。
CNCフライスの場合は切り子は無視していいと思います。
2枚刃はビビって側面仕上げが悪くなりました。
4枚刃は切削音が大きく聞き苦しいものになり、かつ折れやすかったです。
切り子清掃について
こんなの作ったんですが結論としては要らなそう…。
まぁ要らない事は無いんでしょうが、下手に切削油とか吹いて無ければ勝手に飛んでいくようです。
基本放置ですが、切り子が原因でトラブった事は一度もありません。
CAMの注意点
上記の様な切り抜きの仕事をさせる場合、1パスで切り抜くとエンドミルが噛み込んでトラブります。
必ず粗取りパスを使用し、2パスで切るようにします。
これにより側面仕上げも格段に向上します。
Fusionの機能、負荷制御。
ランプで優しく入って、トロコイド切削の様な動きをしてエンドミルへの負担を軽くする賢いパスを吐きます。
その分NCプログラムが巨大になります。
環境によっては行数が多いと扱えない場合もあるそうですが、Kitmillで標準のソフトを利用していれば行数制限は無いので積極的に利用したい所です。Z切込ピッチを1.5倍に出来る程の威力があります。
その他Kitmill・RZ300の使用上の注意点
ステッピングモーターのコネクタ部にマスキング推奨。
稀にアルミ粉が入ってしまう事があり、基盤が断線と判断して軸の動きが停止、そのままクラッシュ…なんて事がありました。